ベンツW204を走らせていて、いつもと違う音が出ていたという経験はないですかね。
ゴーという断続した音が出ている場合、足廻りのベアリングが原因なんです。
あなた自身で調べる場合、前か後ろなのか判断できない時は助手席か後部座席に知り合いを乗せて簡単に確認ができます。
そのままにしていると、最悪ベアリングが固着してタイヤがロックしてしまうこともありますので早期に交換が必要になってきます。
それではベアリングの異音が出るしくみと、なぜ交換が必要なのかを説明しますのでどうぞご覧になってください。
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足廻りからのゴーという音が出るしくみ
走っているとき断続的にゴーという異音がしている時は、足廻りに使われているベアリングが原因です。
特に多いのがフロントのハブベアリングという走ると常に回転している部品になります。
このハブベアリングはボール状の鉄でできている玉が回転して回転抵抗を減らす役目をしている優れものです。
走っている間は速度と比例しているので、劣化がとても激しい部品の一つでもあるんですね。
回転しているとどうしても熱が発生しますので、ハブベアリング内に入っている滑りやすくする冷間時は固形のグリスが次第に液状になってしまいます。
そして走行し終わると、徐々にまた固形に変化していくことを繰り返していくうちに劣化が始まってしまうのです。
いずれ時間とともに、ハブベアリングの外側にはめ込まれているゴム製のシールも劣化し固くなりグリスが漏れ出してゴーと言う音が出るようになってしまうのです。
ハブベアリングを交換しないとタイヤが固着してしまう
冒頭でも少し触れましたが、ハブベアリングから異音がしてそのままにしていますとハブベアリング自体が焼き付いてしまい固着してしまうのです。
焼き付く寸前になると、そのタイヤ近辺から煙が出たりすることもあるので注意が必要です。
以下のような症状は出ていませんか…
- 走行中常にゴーという音が出るようになった
- 以前から異音に気付いていたけど最近音が大きくなった
- 低速で走っているときはあまり聞こえないが、スピードが早くなるにつれて音が大きくなる
そのまま走っていると、ハブベアリングが収る関連している部品(スピンドルナックル)自体にも影響が出てしまう場合があります。
スピンドルナックル画像と解説
関連しているスピンドルナックルが故障してしまうと余計に交換しなくてはいけなくなるので、走っていて異音がした時点で点検依頼をおすすめします。
ハブベアリングの構成部品
ハブベアリングが付くには数個の部品から成り立っています。
- スピンドルナックル
- ハブベアリング(ハブグリス)
- シール
- ハブ
スピンドルナックル
スピンドルナックルとは、簡単に説明すると前輪のタイヤが付く部品を指しています。
画像先端の突起している所が、後述するハブという部品が入ってタイヤが付く部品です。
突起している銀色の部分にハブベアリングがはまる部位になります。
ハブベアリング(ハブグリス)
上記画像がハブベアリングになります。
このハブベアリングが内側外側と2個付くことでしっかりタイヤを受け止められるようになります。
このハブベアリングにおいては、必ず車には装着されていて走行中は速度と比例して回転も早くなっていきます。
車両にはなくてはならない部品の一つでもあるんですね。
ハブベアリングを車両に取り付ける最終調整方法 / 以下作業手順
- ナットを規定トルクで締め付ける
- 一度ナットを緩める
- ハブ自体を回転させベアリング本体をすわらせる(必要に応じプラスチックハンマーで軽く叩く)
- ナットを規定トルク及び規定角度で締め付ける
上記調整方法を実施しないと、すぐにハブベアリングが破損してしまいます。
ベンツ専用ハブグリス
シール
ハブベアリングシールは、シンプルに水やチリホコリをハブベアリングに付着させないために装着する部品になります。
シールを付けるときも、収まるように装着面とツライチになるように付けないとグリス漏れの原因になってしまいます。
ベンツW204用ハブ
ハブに関しては、ベンツW204のハブボルト5個(いくつもの)を一つにまとめる意味合いもかねてハブと言われています。
上記ハブにハブベアリングを特殊工具のプレスを利用し圧入して取り付けられます。
ハブベアリング圧入する特殊工具プレス
どのメーカーでもそうですが、このプレスがないと商売になりません。
そして何にでも応用して使えるので、とても重宝し簡単に100kg以上の油圧を利用して通常では入らない部品まで容易に挿入できるのです。
ハブベアリングからの異音と似ている部品
あとよくあるハブベアリングとそっくりな異音を紹介しますね。
- 前か後ろのタイヤの溝から出る異音(タイヤのブロックパターンの音)
- 前後ブレーキディスクパッドの摩耗による異音
- オートマチックトランスミッションからの異音
前か後ろのタイヤの溝から出る異音(タイヤのブロックパターンの音)
タイヤのブロックパターンを簡単に説明します。
タイヤ溝には様々な模様がありますよね、その溝が明らかにブロックのような形のタイヤは走行中にゴロゴロとかゴーという音が出やすくなります。
よく目にする四輪駆動の車両等は、このブロックパターンのタイヤが付いていることが多いです。
気にすることがあまりなかったと思いますが、その四輪駆動の車両が目の前を通過するときにタイヤから音が出ていますのでご参考までに。
前後ブレーキディスクパッドの摩耗による異音
ディスクブレーキパッドの摩耗によっても音も出ていることがあります。
ディスクブレーキパッドの場合は、金属音が出ることが多いですかね。
金属音はガリガリとかシャーシャーという音や、ハブベアリング同様ゴーという音が出ていることがあります。
ディスクブレーキパッドからすでに、ガリガリという音やゴーという音が出てしまっているときは、すでにブレーキ交換が必要になってますので注意が必要です。
オートマチックトランスミッションからの異音
オートマチックトランスミッションから似たような音が出ることがまれにあります。
オートマチックトランスミッション内部は、エンジンが回っているときシャフトを軸にして回転しています。
その回転している関連部品が故障しているときには、ハブベアリング同様な異音が出ることがあります。
その場合、専用診断機で見ていても故障している場所の故障コードは全く出ませんので、見極めには経験と知識が必要になってきます。
W204の意外と多いタイヤ付近から金属音|ゴーと言う音はハブベアリングが原因:まとめ
ハブベアリングに関して簡単ですが説明してきましたが、なんとなく構造が分かりましたでしょうか。
ハブベアリングが一つが破損してしまうと車体全体に異音が感じられるようになり、車体自体にも振動が伝わるようになってしまいます。
そうならない為に、日頃走っている時になんかいつもと違う音が出ているようであれば専門ショップに持ち込むようにしてくださいね。
最後に金額的にはクラスによって違いますが、CクラスW204で片方約45,000円からの修理になります。(ショップによって開きがあります)