自動車買取の金額はどのようにつけているのかをお答えします。
「 責任者である店長、もしくは社長が同査定車両の1ヶ月前後のオークション落札金額からマイナス15万から20万円引いた額を担当に指示する 」
この答えこそがあなたが依頼している自動車査定金額の全てです…
いい加減に決めてるのか、とおもいでしょうが現実にある車買取店の日々の仕事内容です。
以下に少し噛み砕いて述べていきますので、この先も読んでみたいという方はどうぞ読み進めてください。
あなたが考えていた自動車買取査定とは、全くかけ離れているかもしれません。
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儲けを出すために必ず利幅を設ける
この儲けを出すためには必ず直近から3ヶ月前くらいのオークションサイトを参考にして、あなたがご依頼した買取車種の金額を調べます。
まず責任者が考えることは、この車を買取してうちの会社に利益を上げることができるか?
必ず利益を出すために平均的な落札金額から15万から20万円くらいを差し引いた金額が買取金額になります。
外車に関しては、買取額が極端に下がりますので多い時には50万円くらいマイナスした金額を提示することも少なくありません。
利益を上げる事を最優先にして買取金額を決めているのです。
買取金額を決める責任者の行動
上記車両の場合責任者が取る行動としては、その3シリーズの評価表をザッとみて大きな損傷がないか目を通します。
あとは、外装色、走行距離、修復歴有無を大まかに確認してこの車両を基準として査定金額を出していいのかを判断するのです。
落札金額の開きがないかを3ヶ月前くらいまでをだいたい確認しています。
兎にも角にも、買取をしてマイナスを出さないように努力しているのが自動車買取店。
簡単に例えると、あなたが所有している身近な品物をヤフオクに出品するイメージですね。
8,000円で全く同じ品物が落札されているから、
即決価格を8,000円に設定しよう、みたいな発想で買取店も損をしないように日々価格の変動をオークションサイトで確認しているのです。
買取担当に関しては、一日中オークション会場に出向いてめぼしい車はないか、扱っている車両の変動を逐一報告したりしています。
オークション会場の出品リスト表とは
余談ですが、オークション会場には当日の出品される車両のリストが時系列でテキストとして配られています。
厚さにして大きい会場ですと、2センチくらいの出品リストです。
そのリストには、出品番号、展示ヤード記載、車種、年式、走行距離、色、外装チェック、へこみ、内装チェック、タイヤ残量チェックなどが記載されています。
実際に画像としてオークション会場には、一人ひとり確認できるように着席できるデスクの前にはモニターが設置されていて出品番号を元に画像を見ながらチェックすることも可能なんです。
査定基準価格という業界用語は全く当てにならない
査定基準価格という自動車買取価格のあんちょこが業界には存在するんです。
簡潔に説明すると
「その車の買取り標準価格は、◯◯万円です」
という参考書です。
ディーラーなどは、査定基準価格を参考にして買取価格を決めて算出している店舗が多いです。
査定基準価格の参考書は、内装や外装そして走行距離、車検有効期間残など一般的な車両をもとに算出しています。
「3店舗に査定依頼してきたけど、おのおの全く金額がバラバラだったよ…」
という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
そう、その3店舗は全く査定基準価格を参考にはしていないのです。
あくまでも参考価格であり、必ずその車両が参考書に当てはまらないから見てない。
正直、店舗が査定基準価格で買取したらマイナスを被るからです。
買取したら
「赤字」を生むのです。
査定基準価格参考書は都合のいい資料ということです。
査定前に洗車や車内掃除はあまり意味がない
よく査定してもらうから徹底的に内外装を掃除や洗車するのを見受けますが、正直あまり査定する側からすれば参考にしてません。
汚いから査定額を下げる、車内が汚いからマイナス査定にする…
そんなことをしている店舗はないです。
なぜなら買取店舗で全てできてしまうからです。
査定士は、見たい所は自ら率先して査定時にバケツに水を汲んで、見たいボディを濡れ雑巾で拭いてチェックするんです。
内装においても同じで、おおむねザッと目につくシート周りやフロア、天井、トランク下のマットなどを剥がせる所ははがして確認するものです。
査定する側かのアドバイスとして、査定に出す前にガソリンスタンドで洗車機に入れる程度で全く問題ないですよ。
査定士は見落としにいちばん神経を使う
上述したように、あなたからすれば細かいことまで見るんだなと思いますが、神経質な査定士はさらに広範囲をチェックする人もいます。
なぜか…
それは査定の見落としがあってはならないからです。
一から十までちゃんと査定シートに沿って査定したのに、買取してから責任者にこの車あたってるけど査定に反映してるか?
「あたっている…」
事故相当の扱いになる修復歴があることです。
何百台と査定してきているが、見落とすことも稀にあります。
本来あってはならないことですが…
修復した箇所がわからない現代の鈑金スキル
査定士も分からないような鈑金技術をもった工場は山ほどあります。
それには、使用する工具やケミカル品の精度が上がった背景があります。
(ケミカル品とは、修復後には見えないパテや仕上がりに影響する塗料などです)
パテを盛っては削る、その工程を5回以上ほどこし面を出す作業が仕上がりにいちばん影響するのです。
下手な鈑金屋は、その面が出せないまま塗装してしまうためプロがみるとあきらかに波をうってしまう修復箇所に変化してしまうのです。
申し訳ないですが、査定士の中には見抜けない方もなかには存在します。
以前、中古車販売店の専業工場にいた時の話です。
営業マンが、今思いかえすと11名在籍し月に180台以上販売していた中堅店舗でした。
当時は女性の営業マンなんて全く想像もしていなかったのですが、当時の社長は発想が奇抜的でしたね。
女性が5人もいる店舗に男性が6名で切り盛りして、よく査定をしていて修復歴があるのかないのか見てほしいと、ベテランの男性営業マンから依頼されたことが多々あったんです。
外装に関しては、パテを盛っていればマグネットがついたペンをあてがうとくっつかなければ明らかに鈑金していると分かります。
しかし後ろのクォーターパネル(タイヤ上のフェンダー)を交換したかどうかが判断しづらかったのでしょう。
ホントうまい鈑金屋はスポット溶接する箇所まで数えて外し、カットしたパネルを歪みなく溶接してその箇所上にパテを通常多めに盛るのですが、極力薄くなるよう溶接の技術も他に真似のできないような工場もあるのです。
その場合ですと、さすがのベテラン査定士も判断がつきにくいのです。
アドバイスとして見てあげたのが塗装です。
昔からメーカーごとに塗膜の中にメタリックやパールなどを混ぜて個体差をだす方向が多く取り入れられています。
このメタリックやパールの立ち具合で、交換したのかを判断することができるのです。
特にシルバーメタリックを塗装すると必ずムラがでるんです。
ムラとは、塗布するパターンが通常使用されているスプレーガンだと15センチくらいなので、上からその15センチの幅の塗装したラインを重ねて一枚を塗装していきます。
そうするとメタリックだと細かいフレークが立つ所と寝るところが存在してきます。
そうすると光の加減で黒ずんで見える箇所と光っている箇所がありムラができるんです。
そのムラをなくすために吐出量を絞って塗布する技術があり、塗装後きれいにフレークが立つのです。
その立ったフレークを隣接したパネルと見比べて相違していたので、依頼してきた査定士にこの車両は交換歴があると助言したことがありました。
その後、交換歴があると告げた査定士から結局査定額を15万円ほど減額したことを告げられ、見てもらわなかったら修復歴なしと査定してしまうところだったとお礼を言われたのを思い出します…
それほど見る店舗によっても開きがあるということを覚えていただけたら幸いです。
あまり申したくないのですが、自動車買取店や中古車販売店において中古車を見る目や中古車販売員のスキルによって大幅な店舗形態が見てとれます。
- 業界に入って間もない新人や、査定をしたことのない営業が査定することは普通にあります。
- 教える側が、営業畑しか経験がない先輩から教わっても実際は井の中の蛙でしかないのです。
上記2項目は、自身がいままで経験してきたそっちょくな意見ですし今後の自動車買取店の課題のように考えます。
まとめとして
最後になりますが、中古車買取金額の定め方として説明してきました。
あなたが今後自動車を売却しないといけない時には、1店舗のみで査定額を決めるのではなく複数店舗で査定をしていただき、あなたの車を良心的に見てもらえる店舗を探していただけたら幸いです。
今あなたが所有している車の売却予定がある場合は、以下のサイトから確認してみてください。
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